対馬二日目。厳原町内山地区にある龍良山(標高558.5m)、天道信仰の聖地(神山)であるが故、伐採されずに手付かずの自然、照葉樹林が残されています。そんな林下でたくさん見られたアリドオシを紹介します。名前の由来は鋭い棘が「蟻をも刺し通す」ことにあります。別名に「イチリョウ(一両)」ともいう。[2014年11月8日撮影:対馬エコツアー@阿部]
アリドオシ(蟻通し、学名:Damnacanthus indicus C.F. Gaertn.)はアカネ科アリドオシ属の常緑低木。分布は本州関東地方以西、四国、九州、南西諸島、国外では東アジア、東南アジアからインド東部まで広く、薄暗い林下に自生。樹高は20㎝から60㎝ほど、主茎は真っ直ぐに伸び、側枝は二叉分枝しながら横に広がります。若枝には曲がった短毛が生えます。葉は対生し厚く光沢、大小二形が交互、葉腋に短毛が変異した棘が1対、葉身7㎜から20㎜ほどの卵形、全縁で先は尖ります。両面とも無毛。花期は4月から5月頃、葉腋に筒状の白い花を1対ずつ咲かせます。花冠は長さ約1㎝の漏斗型で先が4裂。果実は径約5㎜の球形の液果、冬に赤く熟します。
「千両万両有り通し」と称し、お正月の縁起物とされます。変種・品種にオオアリドオシ、オオバオオアリドオシ、ホソバオオアリドオシ、ヒメアリドオシなどが知られます。