三宅島時間。
雨が上がり、植林活動、甑の穴(火口跡)で歌唱、昆虫調査、温泉入浴とあっという間に時間が流れる。
温めの露天風呂に長く浸かったためか身体の芯まで温まり全身が脱力感に襲われ、自然に無防備になっている。
火照った身体はゆっくりと外気に馴染んでゆき、一杯の冷えたビールが口から注ぎこまれると喉を通過し、胃袋に到達するのが確実に実感される。
島を覆っていた灰色の分厚い雲海は端から分断され、西に傾く太陽の光線を浴び、燃えながら龍神のごとく昇天し溶け込んでいく。
次に龍神が雨粒となり、この島に舞い降りてくるまで、島は噴火の傷跡を深い緑で治癒していくことだろう。
繰り返される不思議な島時間は癒しの時間でもあるのです。